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今日の朝日新聞の記事からです。
富山大学の紺野勝弘准教授が、
南米産のガラガラヘビの毒から、
モルヒネの数百倍の鎮痛作用がある物質を
抽出して合成することに成功したとのことです。
この成分は、
結果としてアミノ酸が14個つながった化合物と解りましたが、
最初は、ガラガラヘビのヘビ毒を詳しく分析していって、
この化合物が鎮痛物質であると解ったのです。
こんな記事を読むと、ワクワクしてしまうのは僕だけでしょうか。
どんな点でワクワクするか?
まずは、何故、猛毒のヘビ毒中に、
鎮痛作用を有する成分があると
考えついたのかという点にワクワクしてしまいます。
研究は、
「現象の発見」をしてその「解明」をすることですから、
現象が新しかったり、
解明の方法が新しかったり、
解明結果が新しかったりすると、そ
れは新規の発見と相成るのです。
「現象の発見」は、
書籍の中、
論文の中、
試験管の中、
机の上、
ヒトとの会話・・・
無数の場面で、見いだすことが可能です。
感度をどこまで研ぎ澄ませているか、
場面場面でそれを現象と捉えられるのかどうか、
が「現象」を発見できるか、見逃すのかの別れ道です。
さて、紺野准教授が、
新発見に至るまでの研究過程を推定してみましょう
・・・(かなりの独断ですが・・)。
まずは、この場合の「現象の発見」です。
ガラガラヘビのヘビ毒は、
運動神経をまひさせる猛毒で知られているのですが、
かまれても激しい痛みを感じないということから、
この点に注目してこれをまずは「現象」と捉えたのだと思います。
さらには、ブラジルでは約70年前に、
この毒を薄めて痛み止め飲み薬として
市販もされていたという事実・・・
「現象」には十分なものがあります。
この現象を解明するために、
鎮痛作用をもたらす成分の追及へと研究は進んでいきます。
ヘビ毒を集め、
これを多段階に分離し、
それぞれの鎮痛効果を調べていき、
鎮痛効果を指標として、的を絞っていくのです。
この間、
鎮痛効果を試験管内など(インヴィトロ)で
見ていく系も紺野准教授のアイデアが
生かされているはずです。
こうして、
単一の成分まで絞り込んでいきます(精製工程)。
単一の成分にまで、精製が進んだことを十分に確認しないと、
次の作業には入れません。
単一成分にまでした後は、
単一の成分の正体は何物?
という感じで、構造決定試験が行われていきます。
高度で精密な構造決定測定機器(MS,NMR,AA・・・)が駆使されます。
こうして、構造が決定されると、
この構造式を持った物質が、
世の中で報告されているかどうかを調査します。
報告が無い場合は、新規物質の発見となる訳です。
紺野准教授のような、
有用性のある成果には今のところ繋がっていませんが、
1984年に構造決定した、
新規抗真菌物質「Mycocereine(マイコセレイン)」や、
1992年頃に構造決定した、
ベニバナ組織培養によって得られた新規紅色物質「Kinobeon(キノベオン)」
なども、紹介したような研究の流れがあったのです。
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